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フリーランス漫画家のすずつかしおりと申します。
今回はモノクロで漫画・イラストを制作する際に、トーンを使うかグレーで塗るかどちらを選んだら良いかをご紹介します。
表現に絶対の正解はありませんが、こちらを選んだ方が表現しやすい!という場面は存在します。
漫画やイラストを制作するクリエイターの方だけでなく、これらを依頼する方も参考にしていただければ幸いです!
【モノクロ原稿とは?】
漫画やイラストにおけるモノクロ原稿とは、「白と黒で表現された原稿」を指します。
モノクロは「単色」という意味で、厳密にいうと白黒のみを指す言葉ではないようですが上記のように使われることが多いです。
モノクロ原稿には「モノクロ2値」と呼ばれる完全に白と黒のみで描かれたものと、「グレースケール」と呼ばれる白と黒の中間色であるグレーも用いたものと2種類あります。
グレーは白黒とは違うのでは?と思われるかもしれませんが、無彩色のグレーは黒の濃淡で表現されるためモノクロ原稿扱いになります。
モノクロ2値の場合は白と黒の中間の色を表現するためにトーンを使用します。
トーンは黒の網点が一定の間隔で並んでいるもので、これらを貼る(塗る)ことで疑似的にグレーを表現しています!
【トーンがオススメの場面】
データを軽くしたい
こちらは私自身お仕事で体験したことですが、FAXDMの場合はデータを軽くする・かすれを防止する等の目的から中間色を使わず白と黒のみで制作することが望ましいそうです。
FAXDMに限らずデータを軽くしたい・印刷時の時間とコストを減らしたい際はモノクロ2値で制作しトーンを使うのが向いているかと思います。
より漫画らしい表現にしたい
感覚的な話になってしまいますが、漫画を読んでいてより馴染みがあるのはトーンを使用した表現であると思います。
【グレースケールがオススメの場面】
WEB上に掲載したい
トーンの網点は規則的に並んでいないと、モアレと呼ばれる意図しない柄が見えることがあります。
WEB掲載の場合はスマートフォン、タブレット、PCモニターなど様々な媒体で見られることが考えられますが、画面の表示サイズによっては網点の並びが不規則になりモアレが発生してしまいます(おそらくこちらの記事内の画像もモアレになっているかと思います)。
グレーの塗りであればモアレは発生しないので、WEB掲載はグレースケールがオススメです!
グラデーションを綺麗に見せたい
中間色が使えるグレースケールの場合はグラデーションを滑らかに見せることができます。
微妙なニュアンスを見せたい場合はグレーでの塗りが向いていると思います!
【まとめ】
トーンでの表現、グレーでの表現、どちらも向き不向きがありますので「どう見せたいか」や作品を「どう使いたいか」を考えて選んでみると良いのではないかと思います!
ここまで読んでいただきありがとうございました!